健康のために猫の年齢にあった餌を考えよう
猫の食事は人間と同様に規則正しく摂ることが大切です。
年齢にあった与え方、与える量についてしっかりと理解することは、猫が健康に過ごせることに繋がります。
猫の理想の食事
動物には肉食動物と草食動物がいて、猫は肉食動物に分類されます。
肉に含まれる栄養素の代表的なものはタンパク質です。
タンパク質の中で特に重要なのは、タウリンというアミノ酸で、体重当たりの必要な量は人間の5~6倍となります。
タンパク質のほかに、骨を作るためのカルシウムとビタミンAとビタミンB1が必要になります。
猫にとってこれらの栄養素がとても大切で、しっかりとバランスよく取れる食事が『キャットフード』です。
量とカロリーの目安
猫の食事の適正カロリーは、体重1Kgあたり約80kcalとなります。
一般的な猫の体重は、成猫のオスで約5Kg、メスで3Kgです。
一般的な体重から計算したカロリーは、一日当たりオスで400kcal、メスで240kcalになり、これを一日2回に分けて与えます。
成長期の子猫の場合には、成猫の3倍のカロリーが必要と言われています。
妊娠中の猫は標準よりカロリーを多めにして、年を取って活動量が減ったシニア猫は少なめにカロリーを取ることをおすすめします。
猫の一日に必要なエネルギー
年齢・成長 | 体重1Kgあたりのカロリー | 一日の食事回数 |
---|---|---|
10週齢 | 250kcal | 4回 |
20週齢 | 130kcal | 3回 |
30週齢 | 100kcal | 3回 |
40週齢 | 80kcal | 3回 |
運動量の少ない成猫 | 70kcal | 1~2回 |
運動量の多い成猫 | 80~90kcal | 2回 |
妊娠中の猫 | 100kcal | 4回 |
授乳中の猫 | 250kcal | 4回 |
シニア猫 | 60kcal | 1~4回 |
フード選びのポイント
キャットフードは、見た目、味など幅広く販売されています。
基本的には、必要な栄養素がバランスよく含まれている『総合栄養食』を中心に与えるとよいでしょう。
子猫用、成猫用、シニア猫用など年齢に合わせたものから、去勢・避妊手術後用等の目的別にわかりやすく分れて販売しております。
基本的には年齢別に合わせて、商品を選んであげるといいでしょう。
ポイントとしては、一つの商品を与えたら同じ商品を与え続けるということが大切です。
食欲がなくなっても一時的なものであったりするので、容易に変えることはおすすめできません。
食欲不振であっても、成猫であれば一日食べなければ次の日には食べてくれるでしょう。
あまりに食べないようであれば、病気の可能性もあるので獣医に相談することを考えたほうがいいでしょう。
お店で購入するときは賞味期限を確認して余裕があるものを選びましょう。
また、直射日光が当たる場所に置いてあるなどの管理がよくない場合には、購入することを考えましょう。
子猫の食事
子猫は心身共に重要な発達段階であり、この時期の栄養管理で成長の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
猫の消化器官は、雑食の人間や犬と異なり、タンパク質と脂質を多く必要として糖分をほとんど必要としません。
子猫の時期には、手作りの餌で栄養を補うのは難しいので、市販のものを与えてあげましょう。
生後3週目まで授乳期で、生後3週から8週目くらいまでが離乳期となります。
生後3週まで
基本的には母猫の母乳を飲んで育つ時期となりますが、母乳を飲めない環境の場合には飼い主が与えてあげることとなります。
市販の子猫用のミルクには液体タイプと粉末タイプがありますが、どちらを選んでも問題ありません。
ミルクを人肌に温めて、猫の授乳専用の哺乳瓶で与えてあげましょう。
与えるときは猫を膝の上に乗せ、片手で頭を少し上向きになるように支えながら飲ませます。
牛乳は猫の体質に合わないので、与えないようにすることをおすすめします。
生後3~8週
生後3週目くらいからミルクと子猫用の離乳食を混ぜて与え、徐々に離乳食に切り替えていきます。
離乳食に鶏ササミや白身魚、レバーなどを刻んで混ぜて与えてもOKです。
ミルクを減らした分、水分を与えてあげることを忘れないようにしましょう。
離乳食に慣れてくる7週目くらいから、離乳食に幼猫用のキャットフードを混ぜていきます。
生後8週目~6か月
子猫は3か月くらいまで急激に成長し、その後成長は緩やかになっていきます。
成長に伴ってカロリーを調整していく必要があり、栄養バランスに優れた子猫用のキャットフードを与えてあげましょう。
3か月を過ぎた頃から、砕いたりふやかしたりして食べやすくしたドライフードを取り入れていくといいでしょう。
6か月以降
6か月以降は、栄養バランスに優れたドライフードを与えることをおすすめします。
この頃になるとある程度は成長が緩やかになり、必要なカロリーも減ってくるので成猫用のキャットフードに替えても問題ありません。
6か月を超えると去勢・避妊手術をする時期なので、手術をした場合には肥満防止のための目的別キャットフードを選ぶのもいいでしょう。
成猫の食事
成猫の栄養をバランスよく取るために、ドライフードをおすすめします。
ドライフードは栄養バランスがいいことはもちろんですが、歯ごたえがあることと、歯にくっつき難いため虫歯や歯肉炎の予防になります。
更に、比較的安価で買うことができ、保存性もよく腐食しにくいので扱い易くメリットがたくさんあります。
ドライフードでは水分が食事からは取りにくいので、新鮮なお水を常に用意してあげましょう。
シニア猫の食事
成猫からシニア猫になるのは7歳くらいが目安となります。
動きが鈍くなり運動量も減り、筋肉量が減っていくので代謝も落ちてきて必要なカロリーが成猫に比べて2割程度少なくなります。
この時期になったら、シニア猫用のキャットフードに切り替えていきます。
歯が弱ってきて食欲が落ちるようであれば、ドライフードをふやかして与えてあげましょう。
一度に食べられる量が減ってくるので、一日に与える回数を3~4回に増やしてあげましょう。
シニア猫はカロリーの消費が難しいので、おやつを与えるのは避けましょう。
ダイエット用の食事
太っている猫は、まるまるとしてのしのし歩く姿はとても愛くるしく感じます。
しかし、肥満の場合には心臓に負担を掛け、栄養過多による糖尿病になるリスクが高くなります。
愛猫が肥満の場合には、病気予防のためにも早いうちにダイエットを考えてあげましょう。
まとめ
猫にとっても食事はとても大切で、健康でいられるかは餌に左右されます。
成長期に合わせて猫のカロリーをコントロールしてあげることが大切です。
餌の与え方ををマスターして、愛猫が長生きできるように健康を維持していきましょう。