猫が餌を食べなくなるのはなぜ?食いつきがよくなる対処法
飼い猫が、今まで慣れ親しんだ餌を急に食べなくなることがあります。
それは与えている餌が悪いのでしょうか?
急に餌の味に飽きたのでしょうか?
与え方を工夫するだけで、食べるようになるかもしれません。
猫の好みの味とは?
猫の食べ物の好みは離乳のころにほぼ決まり、そのあとに変わることは少ないと言われます。
その理由は「おふくろの味」と密接な関係があります。
子猫は本能的に、母猫が食べているものは世界一安全なものと認識し、それが好みの味となります。
母猫が食べているものは、少なくとも母猫の年齢まで生きられることが保障されているからです。
猫は本当に肉食で偏食か
猫の体は肉食に適応しており、ワイルドな肉食のイメージも浸透しております。
猫は基本的に肉食ではあることは間違いありませんが、内臓のつくりを見てみると哺乳類の基本的機能を持っています。
哺乳類の機能を持っているということは、本来は食べ物に対して偏食をしないということを意味します。
猫はお魚が大好きなのか
猫のイメージをすると、国民的アニメでもおなじみな「お魚くわえたどら猫」を思い浮かべる人も少なくないでしょう。
猫がお魚好きというイメージは、日本人の食文化が「魚食文化」だったからという説があります。
今でこそ猫にはキャットフードを与えるのが当たり前ですが、一昔前までは、人が食べている食事の残りを猫に与えていました。
飼い猫は、子猫のときにお魚を与えられていた確率が高く、それゆえに魚を好んで食べるようになりました。
もし日本人が「肉食文化」で牛肉ばかり食べる国柄であったら、猫のイメージは牛肉をくわえて走って逃げている姿だったかもしれません。
なんでも食べられるなら、猫は「菜食化」になれる?
前述でも述べたように、猫の消化器官は哺乳類と基本的には同じです。
しかし、猫は純肉食の動物であることは間違いではありません。
純肉食性の猫にとっては、植物質を消化することができません。
食物を消化できないのは機能の問題ではなく、ウシやウマ、ウサギなどの草食動物のようにバクテリアのすむ胃腸を備えていないからです。
「菜食文化」が進んでいる欧米でも、猫に肉を与えずサラダだけで育てようとするのは虐待行為だとされています。
急に食べなくなるのはなぜ
ペットとして飼っている猫が、ある日突然キャットフードを拒否することがあります。
食欲がなく、丸一日食べない時に、一番に考えなくてはならないのは病気の存在です。
老猫であれば、食欲が落ちてくるいことも不思議ではありません。
キャットフードを変えた場合には、猫が今までの味と違うので食べなくなることは少なくありません。
健康で若い猫で同じキャットフードを与えていた場合には、飼い主が知らないところで別の味を経験したためかもしれません。
長い時間を野生で育ってきたり、室外で飼っている猫の場合には、経験的にもっとおいしいものを知っているので偏食になります。
気分であったり、ほかの食べ物に味を占めていたりするので、猫が食べなくなり理由を探るのはとても難しいです。
急に食べなくなった時の対処
ペットフードを飽きただけの場合もありますが、病気の可能性も。
飼い猫にあった対処をしてあげましょう。
何よりもまず病気を疑って
口や喉、内分泌の病気の場合には、食事をとることが困難となり食欲不振につながります。
24時間以上なにも口にしないようであれば、病気を疑ってすぐに病院に連れて行きましょう。
猫が高齢である場合
高齢猫の場合は、老化が原因で歯の痛みが出てきたなどの理由などが原因とこともあります。
中でも多いのはエネルギーの消費量が減ったことにより、食事から摂るエネルギーを必要としないことが原因となります。
その場合には一回で食べられる量が減るため、今までのようにがっついて食べることがなくなり、だんだんと食欲が落ちていきます。
少量で栄養がある食べ物に変えてあげることで、食べることが億劫になったシニア猫も安心してバランスよく摂取することができます。
飽きで違う味を求めている場合
キャットフードを温める
キャットフードを33度~40度程度に温めることでニオイが立ち、猫の好みの温度にすることで食欲が増す可能性があります。
キャットフードに肉の煮汁を掛けたり、ゆがいたササミを混ぜるなどすることで食いつきがよくなります。
ウェットフードを混ぜる
ドライフードに少量のウェットフードを混ぜることで、食欲を誘うことができます。
ウェットフードは嗜好性が高い商品が多いため、混ぜて与えると食いつきがよくなります。
ウェットフードが絡まず、ウェット分だけを食べてしまう可能性もあるので、ウェットフードをお湯で溶かしてかき混ぜてあげると効果が上がります。
キャットフードの種類を変える
キャットフードの種類を変えることで食いつきがよくなり、改善することも少なくありません。
フードを変えることは、有効的な一つの手ではありますが、あまりおすすめはしません。
食に対してわがままになり、飽きたときに食べないことで別のキャットフードが出てくることを覚えてしまいます。
偏食がクセになる可能性があり、病気であることと区別することが難しくなるため、あまりおすすめはできません。
与え方を変える
一日の必要量を計器ではかり、2~3回に分けて決まった時間にあげましょう。
一回の量を少な目にすることで、満足する直前で終わるようにしましょう。
いつでも食べられる余裕で食事に集中していない可能性もあるので、与えてから30分でエサ入れを片づけましょう。
「今食べないと次にいつ食べられるかわからない」という気持ちを持たせることで、食に集中するようになります。
若い猫で食欲不振の場合には、与え方を変えることで改善される場合があります。
まとめ
猫は純粋な肉食動物で、いつまでも子猫の時の味覚を覚えていて「おふくろの味」を大切にしています。
猫が食べなくなる原因は、猫から聞けるわけではないのではっきりとわかりません。
もし食べなくなったときには、ちょっとした工夫で食べてくれるかもしれませんので、試してみてはいかがでしょうか。
猫が数日食べなくなることで、重篤になる場合もあります。
手遅れにならないためにも、食べない日が2~3日になる前に病院に連れて行きましょう。